鍼灸国試

臨床医学各論

臨床医学各論は国家試験で最も出題数が多い科目群(6年で約175問、午前の総合問題を含めると更に増える)。神経疾患・運動器疾患・血液疾患・感染症が主力で、症例形式の出題が多い。鍼灸臨床で出会う疾患が中心なので、症状から疾患を絞る「鑑別の型」を身につけることが最重要。

6年出題数: 178問収録テーマ: 19件S×6A×10B×2C×1目安: 80〜100時間
臨床医学各論の過去問を解く第29〜34回の実際の国家試験から臨床医学各論の175問を1問ずつ・正答と解説つきこの科目の予想問題を解く臨床医学各論の予想問題(オリジナル問題)を1問1画面で・解説と図解つき(全29問)

出題統計・重要度分布

S 最重要6件(32%)A 重要10件(53%)B 標準2件(11%)C 参考1件(5%)

年度別・この科目の出題数推移

31第29回
29第30回
29第31回
30第32回
30第33回
29第34回

各年度でこの科目から出題された問題数(6年計 178 問)

🗺 初学者向け学習ロードマップ

この順番で学習すると理解が積み上がります

1
神経筋疾患・末梢神経障害S

ALS・ギラン・バレー・筋ジストロフィー・絞扼性神経障害から始める

2
脳血管疾患・高次脳機能障害・めまいA

被殻出血・失語・半側空間無視・末梢性/中枢性めまいの鑑別

3
認知症A

初発症状で4型を鑑別する

4
変形性関節症・関節リウマチ・骨代謝疾患S

OAのX線4徴、RAの変形、骨粗鬆症の三大骨折部位

5
脊椎疾患・神経根障害と徒手検査S

ヘルニアと狭窄症の鑑別、L5・S1・C6の神経学的所見

6
血液疾患S

貧血の分類(MCV)、白血病、ITP・血友病

7
感染症A

ウイルス性肝炎・結核・食中毒の原因別特徴

8
消化器疾患S

黄疸の分類、肝硬変の合併症、急性膵炎

9
循環器疾患A

狭心症と心筋梗塞、左心不全と右心不全

10
呼吸器疾患S

COPD・喘息・気胸、閉塞性と拘束性の換気障害

11
内分泌・代謝疾患A

糖尿病の合併症、甲状腺機能の亢進と低下

12
精神疾患A

パニック障害・統合失調症・うつ病・発達障害

⭐ 第35回 学習優先テーマ(S・A級)

出題数 TOP18第29〜34回 合算(問数)

⚠ よく間違えるポイント

✗ ALSで「保たれる」もの

ALSは上位・下位運動ニューロンが障害される一方、感覚・眼球運動・膀胱直腸機能・褥瘡は末期まで保たれることが多い。筋萎縮と腱反射亢進が共存する点も特徴。

✗ 末梢神経麻痺の手の変形

下垂手=橈骨神経麻痺、猿手(母指対立不能)=正中神経麻痺、鷲手=尺骨神経麻痺。混同しやすいポイントなので整理しておこう。

✗ 認知症の初発症状で鑑別

近時記憶障害→アルツハイマー型、幻視・認知の変動→レビー小体型、人格変化・脱抑制→前頭側頭型、段階的悪化・まだら認知症→血管性。

✗ L5とS1の神経根障害

L5障害=足背の知覚障害・足関節背屈筋力低下。S1障害=足底の知覚障害・アキレス腱反射消失・底屈筋力低下。アキレス腱反射消失はS1。

✗ 狭心症と心筋梗塞

狭心症は労作時・数分・ニトログリセリン有効・ST低下。心筋梗塞は安静時・30分以上持続・ニトロ無効・ST上昇・心筋逸脱酵素(トロポニン・CK-MB)上昇。

🔮 第35回 狙われそうなテーマ

過去4年の出題推移・出題頻度・未出テーマをもとにした予測です

出題確率 高

神経筋疾患・末梢神経障害

ALS・ギラン・バレー・絞扼性神経障害の症例問題が今後も続く見込み

出題確率 高

変形性関節症・関節リウマチ

X線所見と特徴的変形の対応が今後も繰り返される見込み

出題確率 高

脊椎疾患・神経根障害と徒手検査

症例形式で神経学的所見から高位診断させる問題が定番

出題確率 高

血液疾患(貧血の分類)

赤血球指数から貧血を分類する問題が今後も続く見込み

出題確率 中

認知症の鑑別

初発症状・画像所見からの4型鑑別が繰り返し出題

テーマ一覧(全19件)

感染症

A重要

感染症 › 主要な感染症 › ウイルス性肝炎・結核・HIV・食中毒・上気道感染症

ウイルス性肝炎の感染経路(A・E型=経口、B・C型=血液・体液)。肺結核(空気感染・N95マスク・陰圧個室)。HIV/AIDSの日和見感染。食中毒の原因別特徴(カンピロバクター・ノロウイルス・腸管出血性大腸菌O157・アニサキス)。

6回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

血液疾患

S最重要

血液・造血器系疾患 › 貧血・白血病・出血性疾患 › 鉄欠乏性貧血・巨赤芽球性貧血・白血病・ITP・血友病

貧血の分類:小球性低色素性(鉄欠乏性:血清フェリチン低下・TIBC上昇・匙状爪)、大球性(巨赤芽球性:ビタミンB12・葉酸欠乏)、正球性(溶血性・再生不良性)。急性骨髄性白血病はAuer小体・汎血球減少→易感染性。ITPは血小板に対するIgG自己抗体。血友病はX連鎖劣性。

6回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

消化器疾患(肝・胆・膵・消化管)

S最重要

消化器系疾患 › 肝胆膵・消化管の疾患 › 肝硬変・肝炎・膵炎・消化性潰瘍・消化器腫瘍・黄疸

黄疸の分類:溶血性(間接ビリルビン上昇)、肝細胞性、閉塞性(直接ビリルビン上昇=胆石・膵頭部癌・胆管癌)。肝硬変の合併症(食道静脈瘤・肝性脳症・腹水)。急性膵炎(上腹部痛・血中アミラーゼ/リパーゼ上昇)。

6回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

腎・泌尿器疾患

A重要

腎・泌尿器系疾患 › 腎・尿路の疾患 › 腎不全・ネフローゼ症候群・尿路感染症・尿量異常・前立腺肥大

ネフローゼ症候群の4徴(高度蛋白尿・低アルブミン血症・浮腫・脂質異常症)。乏尿は400mL/日以下、無尿は100mL/日以下、多尿は3L/日以上。前立腺肥大は排出障害(尿勢低下・残尿)、過活動膀胱は蓄尿障害(尿意切迫・頻尿)。

6回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

外傷・脱臼・スポーツ障害

A重要

運動器系疾患 › 外傷と障害 › 骨折・脱臼・応急処置(RICE)・スポーツ外傷とスポーツ障害

RICE処置(Rest・Ice・Compression・Elevation)は軟部組織損傷の急性期。コーレス骨折(橈骨遠位端・手掌をついて転倒)、上腕骨顆上骨折(小児・正中神経障害を合併)、肩関節前方脱臼(腋窩神経障害・方形肩)。スポーツ外傷(急性)とスポーツ障害(使い過ぎ)の区別。

6回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

神経筋疾患・末梢神経障害

S最重要

神経系疾患 › 運動ニューロン疾患・末梢神経障害・筋疾患 › ALS・ギラン・バレー症候群・筋ジストロフィー・絞扼性神経障害

ALSは上位・下位運動ニューロンの障害(筋萎縮+腱反射亢進が共存、感覚・眼球運動・膀胱直腸は保たれる)。ギラン・バレー症候群は先行感染後の急性脱髄。デュシェンヌ型はX連鎖劣性・ガワーズ徴候・腓腹筋仮性肥大。末梢神経麻痺(下垂手=橈骨、猿手=正中、鷲手=尺骨)。

5回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

変形性関節症・関節リウマチ・骨代謝疾患

S最重要

運動器系疾患 › 関節・骨の疾患 › 変形性関節症・関節リウマチ・骨粗鬆症・くる病

変形性関節症のX線4徴(関節裂隙狭小化・骨棘形成・軟骨下骨硬化・骨嚢胞)。関節リウマチの特徴(早朝こわばり・対称性小関節炎・MP関節尺側偏位・スワンネック・ボタン穴変形・環軸椎亜脱臼)。骨粗鬆症の三大骨折部位(椎体・橈骨遠位端・大腿骨近位部)。

5回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

呼吸器疾患

S最重要

呼吸器系疾患 › 気道・肺の疾患 › COPD・気管支喘息・肺炎・気胸・肺結核・肺癌

COPDは閉塞性換気障害(1秒率低下)・喫煙が主因・樽状胸郭。気管支喘息は可逆性気道狭窄・発作性呼気性呼吸困難。自然気胸は若い痩せ型男性に多く突然の胸痛・呼吸困難・患側呼吸音減弱。拘束性換気障害(肺線維症・胸郭運動制限)との区別。

5回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

脊椎疾患・神経根障害と整形外科的徒手検査

S最重要

運動器系疾患 › 脊椎・末梢神経の障害 › 椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・頸椎症・徒手検査法

椎間板ヘルニア(若年・前屈で増悪・SLR陽性)と脊柱管狭窄症(高齢・間欠性跛行・前屈で軽快)の鑑別。神経根障害:L5=足背・足関節背屈、S1=足底・アキレス腱反射消失、C6=母指〜前腕橈側・腕橈骨筋反射低下。徒手検査(ラックマン=前十字靱帯、マクマレー=半月板、スパーリング=頸椎神経根)。

5回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

内分泌・代謝疾患

A重要

内分泌・代謝疾患 › 内分泌腺・代謝の疾患 › 糖尿病・甲状腺疾患・副腎疾患・脂質異常症・痛風

糖尿病の三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)。糖尿病神経障害は最も早期に出現し遠位優位・対称性(手袋靴下型)・アキレス腱反射消失。甲状腺機能亢進症(バセドウ病:頻脈・体重減少・眼球突出)と低下症(橋本病:徐脈・浮腫・易疲労)。

4回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

循環器疾患

A重要

循環器系疾患 › 心・血管の疾患 › 虚血性心疾患・不整脈・心不全・脂質異常症

虚血性心疾患:狭心症(労作時・ニトログリセリン有効・ST低下)と心筋梗塞(安静時・30分以上・CK-MB・トロポニン上昇・ST上昇)。左心不全→肺うっ血・起座呼吸、右心不全→下肢浮腫・頸静脈怒張・肝腫大。心房細動はP波消失・RR不整。

4回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

眼科・耳鼻咽喉科疾患

A重要

臨床医学 › 臨床医学各論 › 眼科・耳鼻咽喉科疾患

緑内障(日本の中途失明原因第1位)・白内障・加齢黄斑変性・網膜剥離・飛蚊症などの眼科疾患と、伝音性/感音性難聴・メニエール病・突発性難聴などの耳鼻咽喉科疾患。症例問題の形で問われやすいので整理しておこう。

4回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

精神疾患

A重要

精神疾患 › 主要な精神障害 › 統合失調症・気分障害・不安障害・発達障害・認知行動療法

パニック障害は突然のパニック発作(数分〜30分で消退)+予期不安+広場恐怖で、SSRIと認知行動療法が有効。統合失調症の症状(妄想・幻聴・させられ体験)と区別。うつ病の回復初期は意欲回復に伴い自殺企図リスクが高まる。ASDとADHDの主徴の違い。

6回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

認知症

A重要

神経系疾患 › 認知症性疾患 › アルツハイマー型・レビー小体型・血管性・前頭側頭型の鑑別

初発症状で鑑別:近時記憶障害→アルツハイマー型(海馬・側頭葉萎縮、アミロイドβ・タウ蓄積)、幻視・認知の変動・パーキンソン症状→レビー小体型、人格変化・脱抑制→前頭側頭型、段階的悪化・まだら認知症→血管性。

5回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

皮膚・アレルギー疾患・悪性腫瘍

B標準

皮膚系疾患・腫瘍 › 皮膚・アレルギー・悪性腫瘍 › 帯状疱疹・アトピー性皮膚炎・アレルギー疾患・各部位のがん

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化で神経支配領域(デルマトーム)に一致した片側性の水疱と神経痛。Ⅰ型アレルギー(IgE・肥満細胞・アナフィラキシー)。がん死亡数(男性は肺・大腸・胃、女性は大腸・肺・膵の傾向)。乳がん・骨腫瘍の特徴も確認。

4回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

女性生殖器・乳腺疾患

B標準

臨床医学 › 臨床医学各論 › 女性生殖器・乳腺疾患

子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣腫瘍などの女性生殖器疾患と、乳癌(超音波・マンモグラフィ・病理組織診)を中心とした乳腺疾患。2026年版で「女性疾患」大項目が新設され、産科領域(妊娠高血圧症候群、つわり/妊娠悪阻、骨盤位、女性不妊)も出題範囲に体系化された。

4回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

脳血管疾患・高次脳機能障害・めまい

A重要

神経系疾患 › 脳血管障害 › 脳梗塞・脳出血・TIA・失語・半側空間無視・めまい

高血圧性脳出血の最好発部位は被殻。左中大脳動脈梗塞(右利き)→失語症、右半球病変→左半側空間無視。TIAは症状が24時間以内に消失しMRIで梗塞巣を認めない。末梢性めまい(回転性・耳症状あり)と中枢性めまい(持続性・平衡障害強い)の鑑別。

3回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

パーキンソン病・不随意運動

A重要

神経系疾患 › 神経変性疾患 › パーキンソン病の4大症状・自律神経症状・不随意運動の種類

4大症状は安静時振戦(丸薬まるめ様)・筋固縮(歯車様)・無動/寡動・姿勢反射障害。仮面様顔貌・小刻み歩行・すくみ足。非運動症状(便秘・起立性低血圧・嗅覚障害・抑うつ)。本態性振戦は動作時振戦で区別。

3回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回

高齢者に多い疾患(フレイル・サルコペニア・ロコモ・老年症候群)

C参考

フレイル(J-CHS基準:体重減少・筋力低下・疲労感・歩行速度低下・活動量低下の3項目以上、可逆的)、サルコペニア(加齢による骨格筋量・筋力低下)、ロコモティブシンドローム(運動器の障害で移動機能が低下)、老年症候群(転倒・失禁・低栄養・褥瘡・せん妄など加齢に伴い高頻度となる症候)。2026年版で臨床医学各論に大項目「高齢者に多い疾患」が新設された。

0回

出題

第29回第30回第31回第32回第33回第34回